治療は外科切除とその後の抗がん剤治療が選択されることがほとんどです。手術の目的は腫瘍本体をからだからなるべく早く取り出すということの他に、この腫瘍はすごくもろい腫瘍ですので破裂することが多々あります。破裂すると大出血を起こし、その日のうちに出血死の可能性もありますのでそれを防ぐという目的もあります。
脾臓から突出している血管肉腫です。癒着していることもあります。小さな出血部位に周囲の組織が癒着します。
血管を慎重かつすばやく結紮し切除します。
脾臓摘出後他の臓器に異常がないかを確認し、お腹を閉じます。

切除した脾臓です。まだ破裂する前に取り出すことができました。すでに破裂した場合には腫瘍がお腹の中に散らばってしまう可能性がありその後の生存期間にも影響することもあります。
手術後は補助治療として抗がん剤治療を行うことで全身に飛び散っているであろう腫瘍の種をやっつける努力をします。しかしそこまでやったとしてもこの血管肉腫は極悪ですので・・・。
PS:この手術をうけたゴールデンは2年後に亡くなりました。手術を受けた時が11歳でしたからなんとか天寿を全うできたかなと考えます。この腫瘍で術後2年生存はかなり長いと考えます。ご家族の努力や本犬のがんに対する抵抗力が強かったのでしょう。
東京都 調布市 西調布犬猫クリニック
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