手術が必要?安静で治る?前十字靭帯断裂を正しく知ろう!
調布市、三鷹市、府中市近隣にお住いの皆さまへ
こんにちは☺️ 西調布犬猫クリニック 中井です。
本日は「前十字靭帯断裂」について、地域の飼い主様に向けて分かりやすく解説いたします。
<前十字靭帯断裂とは何か?膝関節の不安定さが原因>
前十字靭帯は、膝関節の内部に位置する重要な靭帯です。大腿骨と脛骨をしっかりと安定させ、関節が正常に動く為の大切な役割を担っています。
犬の前十字靭帯断裂とは、その大腿骨と脛骨をつなぐ大切な靭帯が切れてしまい、膝の安定性が失われる病気です。断裂が起こると、わんちゃんは後ろ足を地面につけにくくなり、スキップのように足を浮かせたり、不安定な歩き方をするようになります。重度の場合はまったく足を使えなくなることもあります。
愛犬が突然足をかばい、歩けなくなってしまったらとても心配になりますよね。
<断裂に至る原因とは?加齢・肥満・膝蓋骨脱臼などが背景に!?>
~断裂に至る原因について~
前十字靭帯断裂の主な原因は、外傷もしくは長い時間をかけて進行する靭帯の変性であり、多くの場合は慢性断裂として発症します。特に小型犬では、膝蓋骨脱臼(パテラ)が多い傾向にあり、パテラが背景にあることで前十字靭帯断裂が進行してしまうこともあります。パテラは膝のお皿がずれることによって、大腿骨と脛骨が捻れた状態になってしまいます。この状態のまま放置していると、前十字靭帯に負荷がかかり、いずれ断裂してしまい、歩行に問題が出たり歩けなくなってしまったりします。
中~大型犬では、加齢や肥満による関節への負担増加が断裂のリスクを高めます。さらに、ラブラドールやロットワイラーなどの犬種では、遺伝的素因が関与していると考えられています。
犬種問わず肥満や膝蓋骨脱臼を放置することは悪化の原因になります。

<診断方法の流れと重要性>
前十字靭帯断裂の診断は、獣医師による触診と画像検査で行われます。具体的には、触診で膝の不安定さを確認し、必要に応じてレントゲン検査を行います。臨床症状と検査結果から完全断裂か部分断裂かを判断します。
<治療方法:保存療法と外科手術の選択肢>
断裂の程度やわんちゃんの年齢、体重、活動性に応じて、保存療法か外科手術を選択します。
保存療法では、安静にして痛み止めやサプリメントを使用し、負担を軽減しながら関節をある程度安定させます。
一方、外科手術は根本治療として有効です。
臨床症状と生活環境等を加味して獣医師と相談のうえ、わんちゃんに最適な方法を選択しましょう。
*それぞれの治療法のメリットとデメリット
保存療法は外科手術を避けたい場合に選択可能です。
保存療法では、痛み止め投薬と安静管理を併用しながら、自宅でのケアを中心に行える治療法です。
小型犬や、完全断裂でない場合には、保存療法で改善が見られることもあるます。
しかし関節の不安定性が完全には解消せず、繰り返し跛行や痛みが生じる可能性が高いというデメリットもあります。関節炎が進行しやすく、半月板損傷など併発しやすいです。将来的に手術が必要になるリスクがあります。
また、中型・大型犬では保存療法のみでの歩行改善は難しい傾向があります。
外科手術では膝関節を力学的に安定化させるため、後ろ足に体重をしっかりかけられるようになります。
術後はわんちゃんが以前の生活に近い活動レベルへ戻りやすいと言われています。手術を行った場合、再発率が低く、結果的に長期的なQOL(生活の質)を高める事が可能です。
ただし、手術では全身麻酔が必要になるため、高齢犬や持病を持つわんちゃんではリスクがあります。また、手術費用は一般的に数十万円になるため、経済的な負担が懸念されます。術後の入院と安静にする期間が長く、時にはリハビリ期間が必要となり、飼い主様の協力や時間を要する場合があります。
手術の詳細や料金に関しましては、病院スタッフまでご相談ください。
<予防と再発リスクへの注意>
前十字靭帯断裂を完全に予防する方法はありませんが、肥満防止、膝蓋骨脱臼(パテラ)の早期治療、滑りやすい床への対策(フローリングではなく、マットの設置等)、適度な運動などによりリスクを下げることが出来ます。
また、一方の膝が断裂すると、2年以内にもう片方も断裂する可能性が30~40%、場合によっては半数にのぼるとされており、早期治療と継続的なケアが非常に重要です。
<まとめ>
本記事では、犬の「前十字靭帯断裂」について原因・症状・診断・治療法・予防のポイントを解説しました。もし「歩き方がおかしい」「後ろ足を浮かせている」と感じましたら、早めの診察が大切です。特に調布市・三鷹市・府中市にお住まいの飼い主様は、通いやすい当院にぜひご相談ください。どんな小さな違和感でも構いません。少しでも「いつもと違う」と感じましたら、1度相談へいらしてください。大切なご家族であるわんちゃんの足を守るために、一緒に最善の方法を考えてまいりましょう。