院長ブログ

2022.10.03更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは
東京都調布市の西調布犬猫クリニック、獣医師のフジタです。

以前、看護師のウタダさんが「猫エイズ」について書いてくれましたので、今回は猫エイズとも関連のある「猫白血病」についてご紹介したいと思います。
※猫エイズについては、2022/8/4のブログをご覧ください。

「猫白血病」は猫白血病ウイルスの感染により起こる「血液のがん」のことです。
猫白血病ウイルスが陽性の1~3歳程度の猫ちゃんが呼吸速迫で来院し、検査をしてみると「前縦隔型リンパ腫」だったというパターンが良く遭遇するがんの発症ケースです。予めウイルス感染が判明していることよりも、このがんが見つかった時に、ウイルス感染によるものを疑い合わせて検査をすることで感染が判明することが多いです。
前縦隔型リンパ腫に対する治療に関しては、一般的なリンパ腫の治療に則った「多剤併用療法」を実施していきます。

「猫白血病」による症状は「血液のがん(リンパ腫や白血病)」だけではありません。ウイルス感染による間接的影響として、免疫抑制に関連した二次感染、免疫異常に関連した免疫介在性疾患なども起こりえます。
例えば二次感染では真菌感染、口内炎、鼻炎、副鼻腔炎、肺炎、難治性皮膚病などがあります。免疫介在性疾患としては免疫介在性溶血性貧血、免疫介在性血小板減少症、免疫複合体糸球体腎炎、などがあります。
鼻炎や歯肉炎は猫ちゃんでよくみられる病気ですが、難治性の場合には猫白血病や猫エイズの関連を調べてみてもいいかもしれません。

そんな猫白血病ですが、感染経路としては「感染猫との接触」が重要な因子となります。屋外で感染猫ちゃんとの単回の接触(挨拶程度に体をすり寄せるなど)では感染リスクはそれほど高くないとされています。ただし、咬傷などで深い怪我をした場合などは濃厚な接触となるため、単回の接触でも感染リスクは高いと考えられます。また、多頭飼育環境において、そのグループ内に感染猫ちゃんがいる場合も感染リスクが高いと考えられます。
猫白血病は少量の暴露(ウイルスとの接触)であれば、さほど感染のリスクはありません。しかし、少量の暴露が持続する場合は感染のリスクが高いとされているため、感染猫ちゃんがグループにいる場合は、その猫ちゃんの唾液、涙、糞便中にウイルスが排泄されることで、同居している猫ちゃんたちに感染を広げる可能性があります。特に、感染猫ちゃんがいるグループ内に幼少期の猫ちゃんが加わった場合は、感染が成立する可能性が高くなります。

予防法としては、猫エイズ同様、ワクチンが存在しますが、100%予防できるものではありません。そのため、感染猫ちゃんとの接触を避けることが一番の予防となります。年齢依存的に自然防御能が身に付くとされていますので、特に幼少期での感染を注意することも重要となります。その意味では感染猫ちゃんが赤ちゃんを産むことは感染を広げる原因となり得るので、野良猫ちゃんたちの不妊手術も将来的な予防効果があると言えるかもしれません。

みなさまの猫ちゃんが感染しないために、また、他の猫ちゃんへ感染を広げないためにも、猫ちゃんを屋外へ出さないよう完全室内飼育を心掛けたいですね。

猫白血病の検査は猫エイズと同時に行われることがほとんどです。
当院ではどちらも検査できる抗体検査キットがございますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

投稿者: 西調布犬猫クリニック