院長ブログ

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

犬の膵炎は激しい痛みを伴うこともあり、飼い主さんとしては不安な気持ちで胸がいっぱいになってしまうことがあるかと思います。

具体的な治療は獣医師に任せるとして、飼い主さんがやれることは毎日の食事の管理です。

今回はそんな愛犬が膵炎になった時の正しい食事の摂り方について詳しく解説します。

 

▼最優先は「低脂肪」

愛犬が膵炎にかかった際、食事管理で最も注意すべきなのは「脂肪」です。

高脂肪の食事は膵炎の発症リスクを高めるだけでなく症状の悪化にもつながるため、低脂肪のフードを積極的に選ぶようにしましょう。

 

◎脂肪の「質」にもこだわる

脂肪は、生命活動を営む上で欠かすことができない栄養素であり、摂取量をゼロにする必要はありませんが、質の良い脂肪を効率よく摂り込むことが大切です。

その上で注意していただきたいのが、脂肪の「酸化」です。

脂肪は、加熱や酵素接触を受けることで酸化し、金属でいう“錆びた”状態となることから、それを摂り込んだワンちゃんの身体にダメージを与えてしまうのです。

酸化した脂肪は膵炎の症状を悪化させることもあるので、できるだけフレッシュな脂肪を摂取するよう努めましょう。

また、動物性の脂肪は血中のコレステロールや中性脂肪の濃度を高めるため、植物由来の「オメガ3脂肪酸」などが豊富に含まれたフードを選択すると良いといえます。

 

▼「低糖質」で合併症を防ぐ

膵臓は、タンパク質分解酵素だけでなく、血糖値をコントロールするインスリンの分泌も担っている臓器です。

そのため膵炎を患っているワンちゃんは、糖尿病を併発することも多く、糖質への配慮も必要となります。

膵炎を患っているワンちゃんに対しては、糖質が豊富に含まれたスイーツ類を与えないようにしてください。

普段のドックフードも血糖値が上がりにくい低糖質なものを選ぶようにしましょう。

 

▼「高消化性タンパク」で腸の負担を減らす

膵炎のワンちゃんでは、タンパク質分解酵素が正常に働かず、腸への負担が大きくなりがちです。

そこで消化しやすい「高消化性タンパク」の食事を与えることで、消化管の負担を大きく減らすことが可能となります。

 

 

▼急性膵炎と慢性膵炎の違い

膵炎は、急性膵炎と慢性膵炎の2つに大きく分けられます。急性膵炎では、腹部の激しい痛みといった急性症状が認められますが、慢性膵炎の場合は嘔吐や下痢、食欲不振などが長期的に見られます。

そのため急性膵炎の場合は、治療開始当初の絶食は避けられません。

急性期に無理して食事を摂ろうとしても、症状に悪化につながりかねないので、獣医師の指示通りに対処することが大切です。

ただし、長期的に絶食する必要性は低く、食事による栄養サポートをしっかり行うことで、病気の治りも早まることが多いです。

 

▼まとめ

今回は、愛犬が膵炎になった時の正しい食事の摂り方について解説しました。

最も重要となるポイントは「低脂肪」であり、「低糖質」「高消化性タンパク」という観点も加えることで、膵炎の治癒を促進するような食事を摂ることができます。

もちろん、ワンちゃんの膵炎は食事だけで治るものではないので、必ずかかりつけの動物病院を受診して、適切な検査・診断・治療を受けることが大切です。

当院までご相談いただければ、膵炎にかかったワンちゃんの食事管理についても、適切にアドバイスさせていただきます。

 

調布市、三鷹市、府中市にお住まいの方はぜひご相談ください。もちろん他の地域からのご相談もお受け致しております。

西調布犬猫クリニック

 

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投稿者: 西調布犬猫クリニック