院長ブログ

2022.08.14更新

いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
まだまだ暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
動物看護師の瀬川です。

皆様、ご自宅のねこちゃんは毎年ワクチン接種を行っていますか?病院でも、打った方がいいの?どんな種類があるの?いつ打つの?といった質問を頂くことが多いです。
そこで今回はワクチンの必要性や種類などについて紹介したいと思います。

【ワクチンは必要なの?】
生まれた時は、母猫からもらった初乳の中に必要な抗体が入っていますが、生後2、3ヶ月位で効果が無くなります。そのため、その後はワクチン接種により十分な免疫をつけることが重要になります。ワクチン接種は法律で義務付けられているわけではなく、強制されることではないですが、病気を防ぐ、もしくは感染しても症状が軽減されるといった大きなメリットがあります。

【ワクチンはいつ打つの?】
仔猫の時に、母猫から譲り受けた抗体が消え始める頃(生後6〜8週齢)に1回目のワクチンを接種します。その後、より確実に免疫をつけるために、約1ヶ月ごとに2回目、3回目のワクチンを接種していきます。重要なことは、最終ワクチンを生後16週目以降に接種することです。

【防げる病気は?】
当院で扱っている三種混合ワクチンは別名コアワクチンと言われ、猫を飼育する上で必要不可欠なワクチンです。
①猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
症状としては、感染後早いと2日程で元気食欲の低下、発熱が見られます。その後、嘔吐や下痢をしたりします。重症化すると命を落とすこともあり、子猫の場合、致死率もかなり高いです。
②猫ウイルス性鼻気管支炎(ヘルペスウイルス感染症)
はじめは、くしゃみや目やに、目の赤みといった症状から始まり、上部気道炎や結膜炎を引き起こします。仔猫やシニア猫では死に至ることもあります。
③猫カリシウイルス感染症(猫風邪)
カリシウイルスは舌や口腔上部、結膜などで増殖します。発熱、涙、くしゃみといった症状を起こしますが、健康な猫であれば感染しても症状が出ないことがあります。

【まとめ】
今回この記事を読んで頂き、予防の大切さが少しでも分かって頂けると嬉しいです。しかしワクチン接種の際に気になることは、「ワクチンアレルギー」ですよね。副作用を考えるとワクチンを接種することが怖くなってしまうと思います。そのような時は、「ワクチン抗体価測定」といった検査もありますので、ご気軽にスタッフにご相談下さい!
ワクチン接種を定期的に受け、皆様の大切な猫ちゃんを病気から守ってあげてほしいと思います!


西調布犬猫クリニック  動物看護師 セガワ

投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市、他の地域の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 精巣腫瘍についてお話しいたします。

 

精巣腫瘍は、雄犬特有の病気です。

文字通り雄の生殖器官である精巣が腫瘍化したもので、高齢になるほどそのリスクは高まります。

今回はそんな犬の精巣腫瘍の原因や治療法、予防法について詳しく解説します。

 

▼犬の精巣腫瘍の種類について

精巣腫瘍は、セルトリ細胞腫、ライディッヒ細胞腫、セミノーマ(精上皮腫)の3つに大きく分けられます。

このうちセルトリ細胞腫とセミノーマは、停留睾丸と呼ばれる精巣が鼠径部や腹腔内にとどまっているケースで発生しやすくなっています。ちなみに、精巣腫瘍の多くは良性です。

 

◎セルトリ細胞腫の特徴

セルトリ細胞は、精細胞を支持している細胞です。それが腫瘍化したものがセルトリ細胞腫で、片側に発生するケースが一般的といえます。

女性ホルモンであるエストロゲンの過剰分泌の原因となりやすく、もう片方の精巣は萎縮する傾向にあります。少ないながらも転移の可能性がある厄介な精巣腫瘍です。

 

◎ライディッヒ細胞腫

ライディッヒ細胞は、男性ホルモンであるテストステロンを分泌する細胞です。

それが腫瘍化したものがライディッヒ細胞腫であり、間質細胞腫とも呼ばれています。

転移するリスクは低く、臨床上あまり問題とならないことが多い精巣腫瘍です。

 

◎セミノーマ

精巣上皮が腫瘍化したものをセミノーマと呼び、停留睾丸の犬で発生リスクが高くなっています。

組織学的には悪性に分類されますが、転移するリスクは高くなく、切除手術を行った場合の予後も比較的良好なことが多いです。

セルトリ細胞腫とライディッヒ細胞腫を併発することもあります。

 

▼犬の精巣腫瘍の症状

犬の精巣腫瘍では、脱毛や乳房の雌性化、皮膚の色素沈着、骨髄の造血機能の抑制といった症状が認められます。

これらは主に女性ホルモンであるエストロゲンの過剰分泌が原因となっています。

骨髄抑制に関しては、血球の減少や重度の貧血などを引き起こすことから、命に関わるような事態に発展するケースもあり得ます。

また、犬の精巣腫瘍はリンパ節を経由して、肝臓や腎臓、肺などに転移するリスクがある点にも注意しなければなりません。

 

▼犬の精巣腫瘍の原因と検査方法

犬の精巣腫瘍の根本的な原因は解明されていません。

現状は、高齢犬や停留睾丸の犬ほどリスクが高くなることがわかっています。

そんな精巣腫瘍は、次に方法で検査を行った上で診断を下します。

・触診
・血液検査
・レントゲン検査
・超音波検査

これに加えて、精巣の摘出術を実施した場合は「病理組織検査」を行うことが多いです。摘出した組織の一部を顕微鏡で精密に調べることで、腫瘍の悪性度や種類などがわかります。

 

▼犬の精巣腫瘍の治療法

犬の精巣腫瘍の治療法は、外科処置による精巣摘出が基本です。

ワンちゃんの全身状態が悪くなければ予後も良いのですが、重度の貧血を伴っている場合は外科手術を行えないこともあります。

また、多臓器への転移が認められるケースでは、化学療法や放射線療法で対応することになります。

 

▼犬の精巣腫瘍の予防法

犬の精巣腫瘍は、去勢手術を受けることで予防できます。停留睾丸が認められるケースでは、早期に摘出するのが望ましいです。

また、そうした処置を行わなかったとしても、定期的に健康診断を受けることで精巣腫瘍を早期に発見することが可能となります。

 

▼まとめ

今回は、犬の精巣腫瘍の原因や治療法、予防法について解説しました。

雄のワンちゃんを飼っているご家庭ではとても心配な病気かと思いますが、しっかりと予防する方法も確立されているますので、愛犬の精巣腫瘍に不安を感じている場合はいつでも当院までご相談ください。

 

 

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

犬もヒトと同じように「腫瘍」が発生することがあります。

腫瘍は良性と悪性の2つに大きく分けられますが、後者は文字通り身体に悪影響を与えるため、できるだけ早く適切な処置を施す必要があります。

そんな悪性腫瘍は処置が遅れると破裂することがあるのをご存知でしょうか?今回はそんな犬の腫瘍が破裂する原因や治療法などを詳しく解説します。

 

▼そもそも犬の悪性腫瘍とは?

犬の悪性腫瘍はいわゆる“がん”であり、当然変異によって生じたがん細胞が異常増殖することによって形成されます。

体の制御が効かないため、破裂するほど大きくなることも珍しくありません。

 

◎がん細胞が増殖する仕組み

がん細胞が増殖するスピードは、正常な細胞とは比較にならないほど速いです。

これは新しい血管を作る「血管新生」が促進され、たくさんの栄養を効率よく取り込めるようになるからです。

さらに厄介なことに、新しく作られた血管は、がん細胞を遠くの組織まで運ぶ役割まで担ってしまうのです。

 

▼犬の腫瘍が破裂する原因

腫瘍は大きくなるにつれて、内部に分泌物などが貯留するようになります。その結果、腫瘍の内圧が上昇し、破裂という現象を招くのです。

また、悪性腫瘍では血液凝固系の異常を伴うことがあります。

血管新生によって作られた血管は、正常な血管よりも脆く、出血しやすいのですが、そこに止血を担う血液凝固系の異常が加わることで、多量の血液が溜まり腫瘍を内部から圧迫し、破裂へと導くケースもあります。

その他、腫瘍が外部からの圧迫を受けやすい場所に生じている場合も、自ずと破裂のリスクが高まります。

 

▼犬の腫瘍が破裂するとどうなる?

犬の腫瘍が破裂することによって生じる症状はあくまでケースバイケースですが、痛みと出血が認められるケースが比較的多いです。

腹腔内にできた腫瘍が破裂して大量の出血を伴うようなケースでは、血圧が急速に低下します。ショック状態となったりすることもあるため十分な注意が必要です。

その他、腹痛や食欲不振、元気消失などの症状も認められます。

 

▼破裂しやすい腫瘍は?

ひと言で腫瘍といってもいろいろな種類がありますが、悪性腫瘍は一般的に破裂しやすいといえます。

とくに肝臓や脾臓、卵巣にできる悪性腫瘍は、腹腔内での破裂のリスクが高いため、できるだけ早期に治療することが大切です。

とくに脾臓の血管肉腫や肝細胞がんを患っている場合は、腹腔内での破裂に注意しましょう。

 

▼破裂した腫瘍の治療法

腫瘍が破裂した場合は、まず精密検査を行います。患部の状態はもちろんのこと、多臓器への転移が見られないかなども確認した上で、手術の可否を決定します。

ちなみに、悪性腫瘍が破裂した腫瘍の治療は困難を極めることが多く、破裂する前に治療することが何より重要といえます。

 

◎どんな手術をするの?

腹腔内に生じた腫瘍が破裂した場合は、緊急手術が必要となるケースが多いです。

大量の出血によってショック状態に陥ることで命を落とすこともあり得るからです。

手術では、根本的な原因となっている腫瘍を外科的に切除します。術後は病理組織検査を実施して、腫瘍の種類や悪性度を判定した上で、今後の治療方針を決定します。

予後に関しては、腫瘍が発生した場所やワンちゃんの全身状態によって大きく変わります。

 

▼まとめ

今回は、犬の腫瘍が破裂した時の対処法や治療法について解説しました。

重篤な症例ではワンちゃんがショック状態になることもあり、飼い主さんは混乱してしまうかもしれませんが、そんな時こそ冷静に行動することが大切です。

そんな腫瘍の破裂という最悪の事態を招かないためにも、ワンちゃんの病気は早期に治療するよう努めてあげてください。

また、定期検診を受けることによって、仮に腫瘍ができてしまったとしても、破裂するリスクを下げることが可能となります。

 

調布市、三鷹市、府中市にお住まいの方はぜひご相談ください。もちろん他の地域からのご相談もお受け致しております。

西調布犬猫クリニック

 

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

昨今、肝臓の腫瘍が見つかるワンちゃんが増えてきています。

これは、超音波検査が広く普及したことと、犬の寿命がのびたことが関連しているものと思われます。

そんな肝臓の腫瘍は自覚症状に乏しく、健康診断で偶然発見されることが多いです。今回はそんな犬の肝臓の腫瘍についてわかりやすく解説します。

 

▼肝臓は沈黙の臓器

 

肝臓は非常に大きな臓器で、様々な栄養素を合成・貯蔵し、外部から取り込んだ毒素を無毒化するなど、生命活動のかなめとなる臓器といっても過言ではありません。

そのため予備能力・再生能力にも優れており、少し異常が生じた程度では食欲不振、元気消失、痛みなどの症状は見られないことから、沈黙の臓器とも呼ばれています。

それは肝臓に腫瘍ができた場合も例外ではありません。

 

▼犬の肝臓にできる腫瘍の種類

肝臓には、その他の臓器と同様、良性腫瘍と悪性腫瘍が発生します。

肝臓にできる良性腫瘍として「肝細胞腫(かんさいぼうしゅ)」が挙げられ、緩徐に進行するのが特徴です。外科的に切除することで予後は良好となります。

肝臓にできる悪性腫瘍としては多くみられるものに「肝細胞がん」が挙げられます。肝細胞腫と同じく進行は比較的緩徐で、具体的な症状も現れにくいです。

とはいえ悪性腫瘍なので浸潤性を有しており、肝臓全体や多臓器に広がっていく点に注意しなければなりません。ちなみに肝細胞がんは、原発性肝がんの約半数を占めています。

 

▼犬の肝臓がんの症状

上述したように肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、肝臓がんにかかっても初期の段階では症状が見られません。

次に挙げるような症状が認められる場合は、肝臓がんがそれなりに進行していることを意味します。

・元気の消失
・食欲不振
・疲れやすい
・腹水が貯留している
・肝酵素の値が高くなっている

 

▼犬の肝臓がんの原因

犬の肝臓がんの原因のひとつは、発がん性物質です。例として保存料や防腐剤、着色料、タバコの煙などに含まれる発がん物質を習慣的に取り込むことで、肝臓にダメージが及びます。

肝臓はそうした毒素を解毒する作用を担っていますが、許容量を超えると炎症を起こしてがんの発症リスクも上昇します。

私たちヒトの肝臓がんは、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに由来するウイルス性肝炎が原因となりやすい点で、犬とは大きく異なります。

 

▼犬の肝臓がんの治療法

犬の肝臓がんの治療は、外科的切除が基本となります。がん細胞に侵された部位を完全に切除することで完治が見込めます。

肝臓は再生能力が高く、手術によって大きく切除したとしても、時間をかけて同じくらいの大きさになっていくケースがほとんどです。

転移性の肝臓がンの場合は、外科切除が適用になることは少なくなり、対応が難しくなります。

 

▼手術しないとどうなる?

肝臓がんは、かなりの大きさになっても明確な症状が現れないことが多く、手術の必要性が感じられない飼い主さんもいらっしゃると思います。

愛犬が普段通り、元気に走りまわっているのにどうしていろいろなリスクを伴う外科手術を受けなければならないのか。

そうしたお気持ちはよく理解できるのですが、肝臓がんの病態が進行しているのであれば、できるだけ早期に手術を実施した方が良いといえます。

肝臓がんがある程度大きくなると、胃や後大静脈を圧迫するだけでなく、肝臓の大部分が侵されて肝不全を引き起こすことさえあるのです。

そういった点も踏まえて、ワンちゃんに肝臓がんが見つかった場合は早期治療に努めましょう。明確な症状が現れた頃には手術が不適応となることも珍しくありません。

▼まとめ

今回は、愛犬の肝臓に腫瘍が見つかった場合の対処法や肝臓がんの特徴などを解説しました。

肝臓がんは比較的高齢のワンちゃんに発生しやすい悪性腫瘍ですが、「肝細胞がん」であれば手術によって完治する可能性も十分あります。

そんな犬の肝臓がんは早期発見・早期治療が何より重要となりますので、健康診断を定期的に受けることを強く推奨します。

 

調布市、三鷹市、府中市にお住まいの方はぜひご相談ください。もちろん他の地域からのご相談もお受け致しております。

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

愛犬の健康診断の血液検査で、肝臓に関する数値が高く出た場合はとても不安になりますよね。

肝臓は、私たちヒトはもちろんのこと、犬にとっても重要な臓器であり、命にかかわるような病気も少なくありません。

今回はそんな血液検査における肝臓の数値が高い場合に考えられる原因や対処法をわかりやすく解説します。

 

▼そもそも肝臓とは?

肝臓はとても大きな臓器で、以下に挙げるような3つの役割を主に担っており、生命活動を維持する上で欠かすことができません。

 

◎栄養素の合成・貯蔵

ワンちゃんがお口から摂取した食べ物は、腸で吸収されて門脈(もんみゃく)という血管を経由してから肝臓へと運ばれます。

肝臓には2,000種類以上の酵素が存在しており、その都度、体に必要な栄養素を合成・貯蔵していることから、「化学工場」と呼ばれることもあります。

 

◎胆汁の合成・分泌

脂肪の分解・吸収を促進する胆汁は肝臓で合成され、胆のうへと分泌されます。

 

◎有害物質の解毒・分解

肝臓には、食べ物・飲み物に含まれる有害物質を解毒、分解する機能も備わっています。

ヒトでいえばアルコールの分解が最もわかりやすく、皆さんもよくご存知のことかと思います。

タンパク質を分解する過程で生じるアンモニアを無害な尿素に作り変えるのも肝臓の主な働きのひとつです。

 

▼肝臓と関係がある血液検査の項目

肝臓と関係がある血液検査の項目は、主に次の4つです。これらは一般的に「肝酵素」と呼ばれている物質ですが、肝臓以外の臓器・細胞でも認められます。

 

◎GPT(ALT) グルタミン酸ピルビン酸転移酵素

GPTは、主に肝臓の細胞に含まれている酵素です。そのため肝臓の異常を反映しやすい項目といえます。

 

◎GOT(AST) グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ

GOTは、肝細胞や心筋細胞、骨格筋細胞、赤血球などに多く含まれる酵素で、GOTが高値だとこれらの細胞に何らかの異常が疑われます。

 

◎ALPアルカリフォスファターゼ

ALPは、肝臓や腎臓、骨などで作られる酵素で、肝臓へ運ばれてから適切な処理を受け、胆のうへと移動して胆汁中に流れ出ます。

胆石や胆道炎などで胆道が閉塞すると、胆汁の流れが滞り、肝臓の機能を低下させることがあります。

 

◎GGTγ-グルタミルトランスフェラーゼ

GGTは全身に広く分布する酵素で、肝臓に関しては胆管の細胞膜で多く見られます。胆管に異常が生じると血中濃度が高くなりやすいです。

 

▼肝臓の数値が高い時に疑われる病気

 

◎肝臓・胆のうの病気

上記の項目が高値を示した場合、肝炎や肝臓がん、先天性の肝障害、胆泥症、胆のう炎などの病気が疑われます。

 

◎肝臓以外の病気

上述したように、肝臓の状態を反映する検査項目は、肝臓以外の臓器とも関連があるため、その数値が高い場合は次のような病気・異常が背景に存在していることも考えられます。

・高脂血症
・炎症性疾患全般
・クッシング症候群
・歯周病
・糖尿病
・骨の病気 など

 

▼病気ではない可能性もある

血液検査で肝臓の数値が高かったとしても、それは必ずしも病気が原因であるとは限りません。例えば、次に挙げるようなケースでは、ALPの値が高く出やすくなります。

・成長期
・ストレス
・特定の犬種(シベリアンハスキーやスコティッシュテリアなど)

また、何かの治療でステロイドを使用していたりすると、肝酵素の上昇が認められることが多く、血液検査でも異常値を示しやすい点にご注意ください。

 

▼肝臓の数値が高かった場合の対処法

血液検査における肝臓の数値が高かった場合は、動物病院で精密検査を受けることがすすめられます。

そもそも病気ではない可能性もありますので、まずはワンちゃんの身体の状態を正確に把握することが大切です。具体的な病気が見つかった場合は、それぞれ最善といえる方法で治療します。

 

▼まとめ

今回は、血液検査で愛犬の肝臓の数値が高かった場合に考えられる原因と対処法を解説しました。

血液検査はあくまでワンちゃんの身体の状態を大まかに知るためのものであり、正確に診断することはできません。

気になる値がある場合は、専門家である獣医師に相談するのが一番です。

 

調布市、三鷹市、府中市にお住まいの方はぜひご相談ください。もちろん他の地域からのご相談もお受け致しております。

西調布犬猫クリニック

 

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

愛犬が健康診断で「胆泥症(たんでいしょう)」と診断され場合、それがどのような病気なのがよくわからない方がほとんどかと思います。

今回はそんな犬の胆泥症について詳しく解説します。

 

▼胆泥症とは?

胆泥症とは、胆のうに泥状の胆汁(たんじゅう)が貯まってしまう病気です。

胆汁は、脂肪を消化するのを助けてくれる物質で、本来は液状で胆のうに貯留しているのですが、何らかの原因で濃縮し、泥状に変質することがあります。

ちなみに、胆汁が結石状に変質した場合を胆石症といいます。

 

▼胆泥症の原因

胆泥症の根本的な原因は解明されていませんが、多くのケースでは胆のう炎や内分泌疾患を併発しています。

胆のう炎は、胆のうが細菌感染を起こしていたり、その他の臓器の炎症が波及したりして発症する病気で、胆汁の性状に大きな悪影響をもたらします。

甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などの内分泌疾患でも、胆汁の性状が変化しやすいです。

 

◎かかりやすい犬種は?

胆泥症にかかりやすい犬種は、ミニチュア・シュナウザーやシェットランド・シープドッグ、コッカー・スパニエルなどです。

これらの犬種は、遺伝的に脂質代謝異常や高脂血症などを起こしやすいため、胆泥症のリスクも高くなっています。

 

▼胆泥症の症状

ワンちゃんが胆泥症にかかっても、特徴的な症状が現れることはほとんどありません。

そのため健康診断で偶然発見されることが比較的多くなっています。

胆のう炎や肝障害、総胆管の通過障害などを伴っている場合は、食欲不振、腹痛、嘔吐、発熱といった症状が認められることもあります。

胆汁を十二指腸に送る総胆管が完全に閉塞すると黄疸(おうだん)が起こります。重症例では胆管や胆のうが破裂して腹膜炎を起こすこともあるため、十分な注意が必要です。

 

▼胆泥症の診断方法

胆泥症の診断は、腹部エコー検査で行います。胆汁が泥状になっていると、ワンちゃんの姿勢を変えた際に胆泥がゆっくりと移動するのを確認できます。

 

▼胆泥症の治療法

胆泥症では、胆汁の流れを良くすることが大切です。利胆剤と呼ばれる薬剤を使って胆汁の排泄を促進したり、総胆管の出口を広げる薬剤で胆汁がスムーズに流れるよう促したりすることがあります。胆泥症の背景に胆のう炎や内分泌疾患が存在している場合は、それらの治療も並行して進めていきます。具体的には抗菌薬や消炎剤、内分泌疾患治療剤などを活用して、原疾患の症状を改善します。

 

▼胆泥症の食事の注意点

愛犬が胆泥症にかかったら、高カロリー・高脂肪の食べ物をできるだけ避けることが大切です。

やはり、脂肪がたくさん含まれる食べ物を摂取すると、脂肪の代謝に関わる臓器に大きな負担がかかってしまいます。

それ以外は基本的に栄養バランスのとれた食事を適正量与えることを心がけてください。適度に運動させることも大切です。

 

▼定期検診の重要性

上述したように、胆泥症はわかりやすい症状が見られない病気なので、一見するといつもと変わらず元気に見えることが多いです。

だからといって胆泥症が危険性の低い病気であるというわけではないため、飼い主さんは十分ご注意ください。

腹部エコー検査などを定期的に受けていれば、胆泥症の早期発見も難しくなくなります。

実際、健康診断の超音波検査で偶然発見されることが多い病気であり、その有用性は言うまでもありません。

 

▼まとめ

今回は、犬の胆泥症の原因や症状、治療法などについて解説しました。

「胆のう」というとてもマイナーな臓器で起こる異常なので、詳細について今回初めて知ったという方も多いことでしょう。

そんな犬の胆泥症についてさらに詳しく知りたい、愛犬に気になる症状がある、といった方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。

当院では犬の胆泥症の治療実績も豊富ですので、適切に対処することができます。

 

調布市、三鷹市、府中市にお住まいの方はぜひご相談ください。もちろん他の地域からのご相談もお受け致しております。

西調布犬猫クリニック

 

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

犬の膵炎には特有の症状はないものの、ワンちゃんがとても辛い思いをすることは間違いありません。

とくに急性膵炎では腹痛や発熱、嘔吐などの症状が目立つため、飼い主さんも心配になってしまうことかと思います。そ

れだけに犬の膵炎は可能な限り予防した方が良いといえます。今回はそんな犬の膵炎の予防方法について詳しく解説します。

 

▼そもそも犬の膵炎の原因は?

予防を考える上でまず知っておかなければならないのは、その病気の原因です。犬の膵炎の原因を知らなければ有効な予防策はとれません。

 

◎根本的な原因は不明

犬が膵炎にかかる根本的な原因はわかっていません。そのため特効薬も開発されておらず、膵炎を発症したら対症療法で症状の改善をはかる他ないのです。

 

◎高脂肪食や肥満が深く関係する病気

膵炎の根本的な原因は解明されていないものの、関連性の深い因子はわかっています。

それは高脂肪食と肥満です。これらは生活習慣との関わりが深いため、比較的予防に取り組みやすいといえるでしょう。

 

◎その他のリスク因子

犬の膵炎ではその他、クッシング症候群や上皮小体機能亢進症といった内分泌疾患、寄生虫やウイルスへの感染、腹部の外傷などもリスク因子として挙げられます。

 

▼膵炎の予防は食生活の改善から

犬の膵炎を予防するのであれば、食生活の改善から始めるのが良いです。とりわけ「脂肪」に関しては十分な配慮が必要となります。

 

◎低脂肪食が基本

上述したように、高脂肪食は犬の膵炎のリスク因子となっています。脂肪分の多い偏った食事を与えていると肥満になるだけでなく、消火器への負担も大きくなります。

とくに膵臓は脂肪を分解するための酵素「リパーゼ」を産生する臓器であり、習慣的に高脂肪食を摂っていると酷使されることとなります。

 

◎ヒトの食べ物の盗み食いに要注意

低脂肪食を心がけていても、テーブルの上に残った揚げ物などを盗み食いしていては、十分な予防効果は得られません。

ワンちゃんの健康を考えるのであれば、ヒトが食べるものを盗み食いできない環境を構築することが必要です。

 

◎低糖質も大切なポイント

膵臓は、リパーゼなどの消化酵素の分泌だけでなく、ホルモン分泌も行っている臓器です。

しかもそれが血糖値を下げられる唯一のホルモン(インスリン)であることから、全身の健康を維持する上で非常に重要な役割を担っているといえます。

ですから、膵臓に負担をかけないという意味で糖質の摂取も過剰にならないよう配慮する必要があります。

ドッグフードには糖質を制限したものが市販されていますので、そうした製品を進んで選ぶようにしましょう。ちなみに、犬の膵炎は糖尿病の併発リスクが高くなっています。

 

▼適度な運動と定期検診

ここまで、犬の膵炎の原因や予防法について解説してきましたが、人間の生活習慣病に似ている部分が多々あることにお気付きかと思います。

要は脂肪や糖質の多い食事や肥満などが原因になりやすく、食生活を改善することで予防効果が高まる病気となっています。

さらに、適度な運動を心がけることで肥満も抑えられ、全身に良い影響がもたらされることでしょう。

それでもなお膵炎を始めとした犬の病気は完全に予防することは難しいので、定期的な検診を動物病院で受けることが推奨されます。

 

▼まとめ

今回は、犬の膵炎を予防する方法を解説しました。犬の膵炎に関しては、今回ご紹介した内容以外にも予防策といえるものがありますので、関心のある方はお気軽に当院までご相談ください。

ワンちゃんに気になる症状が認められた場合もご連絡いただければ、精密に検査いたします。

急性膵炎は迅速な対応が求められる病気であり、少しでも迷ったら動物病院を受診した方が良いといえます。

 

調布市、三鷹市、府中市にお住まいの方はぜひご相談ください。もちろん他の地域からのご相談もお受け致しております。

西調布犬猫クリニック

 

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

普段は元気なワンちゃんが突然、食事を食べなくなったら飼い主さんは不安に感じることかと思います。

それがもしも膵炎(すいえん)による影響であれば、注意すべきことがいくつかあります。

今回はそんな愛犬が膵炎になって食事を食べない時の原因と対処法をわかりやすく解説します。

 すい炎症を起こしている膵臓(PANCREAS)。

 

膵炎正常な膵臓(PANCREAS)

 

 

 

▼そもそも膵炎とは

 

膵炎とは、文字通り膵臓に炎症が生じる病気です。

膵臓も胃や腸と同じ消化器官のひとつなので、胃腸炎同様、細菌やウイルスへの感染によって炎症が引き起こされそうなものですが、実際は異なります。

 

◎原因は消化酵素

膵臓は、タンパク質を分解する酵素の“前駆体(トリプシノゲン)”が産生される臓器です。

あくまで前駆体であり、膵臓にある時点では酵素活性を持っておらず、トラブルの原因にもなりませんが、何かの拍子の活性化されることで「トリプシノゲン→トリプシン」という変化が起こります。その結果、膵臓自体に消化作用が働き、炎症を引き起こすのです。

 

▼膵炎の症状

膵炎は、急性膵炎と慢性膵炎の2つに大きく分けられますが、どちらにも食欲不振という症状が認められます。食事を食べる気持ちが起こらず、元気の消失も伴います。その他、嘔吐や腹痛などが認められることがありますが、どれも膵炎特有の症状ではないため、飼い主さんにとっては原因がよくわからず、戸惑ってしまうことでしょう。

 

▼検査方法

膵炎の一般的な検査方法は血液検査にてv-LIP、Spec-cPL、炎症マーカーCRPなどの上昇を確認します。ただしこれらの数値だけで膵炎と診断できません。超音波検査にて膵炎を疑うような所見があるかどうかも重要です。そして何より大事なのが症状があるかどうかです。食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢などの症状がない場合、v-LIP、Spec-cPLの数値が上昇していたとしても膵炎でないこともありますので注意が必要です。

▼治療方法

発症した膵炎の治療については多岐に渡りますが、一般的には制吐剤による嘔吐のコントロール(ファモチジンなどの制酸剤、プリンペラン、オンダンセトロン、マロピタントなどの制吐剤)、腹痛に対する痛みのコントロール(ブトルファノール、ブプレノルフィン、フェンタニルなど)、さらに支持療法も重要です。膵炎が落ち着くまで体を弱らせないために点滴やチューブフィーディングなどを行います。そのほかに蛋白分解酵素阻害剤や全身性に炎症が波及した場合に血栓ができないように抗血栓剤の投与などを行います。過剰な炎症反応を食い止めるために好中球の遊走を阻害する薬剤(ブレンダZ)などを使用することもあります。膵炎は炎症がエスカレートしてしまうと歯止めが効かなくなります。当院ではまずしっかりと膵炎であるかを診断し、膵炎と診断したならばなるべく早期に積極的な治療を行います。いかに膵炎の初期に炎症の炎を沈静化できるかが肝です。膵炎は生死に関わる疾患です。なんとなくの中途半端な治療を行なって、悪くなっていってからいざ色々やっても手遅れになることがあります。

 

▼食欲不振への対処法

ワンちゃん膵炎にかかったら、まずは治療に専念することが大切です。連続する嘔吐や発熱、強い腹痛などが見られる急性膵炎では、絶食が必要となります。

急性期に無理やり食事を摂らせようとすると、消化酵素の産生が促進され、膵臓をさらに損傷してしまうため十分な注意が必要です。

ただし、自己判断で絶食を開始するのは良くありません。必ず獣医師の診断を受けた上で、治療の一環として絶食を行うようにしてください。

症状が落ち着いてきたら今度はなるべく早く絶食を解除し、食べてもらうことが重要になります。

 

▼急性期を過ぎた後の食事について

◎低脂肪食を心がける

絶食や輸液、投薬治療によって膵炎の症状が改善してきたら、ご自宅での食事を膵臓への負担が少ないものに変えてください。

膵炎は根本的な原因が解明されていない病気ではあるものの、高脂肪食との関連が深いことはわかっています。ですから、毎日の食事は低脂肪食に変えることが有効です。

また、質の高い脂肪を摂ることによって、消火器への負担はさらに減らせます。

 

◎低糖質であることも大切

膵臓が産生するのは、タンパク質分解酵素だけではありません。血糖値を下げるインスリンも分泌する臓器であるため、膵炎を患った際には糖質の摂取量にも気を配る必要があります。

血糖値の上昇が緩やかな低糖質の食べ物を選ぶことで、膵臓への負担を減らせます。

さらには、高消化性タンパクが使われたフードを食べさせてあげることで、膵臓だけでなく、胃や腸にも良い影響が現れることでしょう。

 

▼膵炎を予防するための食事

犬の膵炎は、飼い主さんが普段食べている唐揚げやドーナツを盗み食いすることでリスクが大きく上昇します。

ですから、ヒトが食べる脂っこいものをワンちゃんが盗み食いできないような環境を整えることが大切です。

また、普段から低脂肪の食事を意識することで、犬の膵炎は予防しやすくなります。

発症しやすい犬種としてはプードル、シュナウザー、コッカースパニエル、チワワ、ヨークシャーテリアなど

肥満も膵臓に負担がかかりますので適切な体重を維持しましょう。

 

▼まとめ

今回は、愛犬が膵炎になって食事を食べない時の原因と対処法を解説しました。

食欲不振の原因が膵炎であることは、獣医師でなければわからないため、食事を食べなくなったらまず動物病院で観てもらい適切な診療を受けることが大切です。

その上で獣医師の指示に従い、適切な食事管理を行っていきましょう。

 

調布市、三鷹市、府中市にお住まいの方はぜひご相談ください。もちろん他の地域からのご相談もお受け致しております。

西調布犬猫クリニック

 

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

膵臓は、血糖値を下げるインスリンやタンパク質の分解を助ける酵素を産生する臓器で、消化管の一種に分類されます。ワンちゃんでは右上の腹部に位置しており、急性膵炎になるとそのあたりに極めて強い痛みが突発的に生じます。

今回はそんな膵炎が慢性化したケースについて、症状や原因、治療法について解説します。

 

▼慢性膵炎とは?

慢性膵炎とは、膵臓に慢性的な炎症反応が生じている状態です。膵臓の線維化や萎縮といった、急性膵炎には見られない症状が現れるのが特徴です。

こうした変化は不可逆的なものであり、治療を施しても元には戻らない点に注意しなければなりません。

 

▼慢性膵炎の症状

慢性膵炎は急性膵炎よりも症状が目立ちにくいため、飼い主さんが気付かないことも多々あります。

病態の進行も緩徐であり、日頃からしっかりと観察して、ちょっとした変化にも気付いてあげられるようにしておくことが大切です。

具体的な症状としては、食欲不振、元気低下、下痢、嘔吐などが挙げられます。ケースによっては炎症反応が急激に悪化する「急性増悪」の症状が認められます。

 

▼慢性膵炎の原因

慢性膵炎の根本的な原因は現状、解明されていません。高脂肪食を習慣的に食べていたり、内分泌疾患を患っていたりすると、膵炎のリスクは高まります。

 

◎発生メカニズムは急性膵炎と同じ

 

膵臓の炎症が慢性化する慢性膵炎も、発生メカニズムは急性膵炎と変わりません。

本来は十二指腸で活性化される「トリプシノゲン(=トリプシンの前駆体)」が膵臓内で「トリプシン(=タンパク質分解酵素)」に変化してしまうことで、消化作用を発揮します。

膵臓はその他の臓器と同様、タンパク質が主成分であり、トリプシンが活性を持つと自らを消化し始めてしまうのです。

もちろん、膵臓にはそうしたトラブルに対応するための防御機構も備わっています。

膵分泌性トリプシンインヒビターと呼ばれる酵素がトリプシンの活性をキャンセルすることで、膵臓を保護することができます。

ただ、膵臓内で活性化されるトリプシンの方が多くなれば、自ずと自己消化の作用が促進され、炎症反応も強まります。

 

▼慢性膵炎の治療法

慢性膵炎の治療法は、基本的に急性膵炎と同じです。特効薬と呼べるものは開発されておらず、対症療法で症状の改善をはかります。

具体的には輸液、薬物療法、栄養療法で対応します。重症度が高い場合は入院が必要となります。

また、必要に応じてタンパク質分解酵素阻害薬や膵臓消化酵素剤などを使用することもあります。

 

▼慢性膵炎の予防法

慢性膵炎は、高脂肪食をとっていることがリスク因子となるため、低脂肪食を心がけることが大切です。

具体的には唐揚げやフライなどの揚げ物、生クリームなどは脂肪分が多く、膵炎のリスクを大きく上昇させます。

テーブルの上に残った食べ物をつまみ食いさせないことも大切です。とにかく私たち人間が好んで食べるようなものをワンちゃんに与えないよう気を付けてください。

また、肥満も膵炎のリスクを引き上げることから、太っているワンちゃんはダイエットに努めることが大切です。適度な運動も欠かさず行うようにしましょう。

かかりつけ病院で定期検診を受けていれば、慢性膵炎の予防、早期発見・早期治療も難しくなくなります。

 

▼まとめ

今回は、犬の慢性膵炎について解説しました。急性膵炎とは少し異なる点がありますが、治療法や予防法はほぼ同じです。

予防や早期発見が重要である点も変わりありませんので、日頃からワンちゃんの不調にはすぐ気付いてあげられることが大切です。

また、食習慣ともかかわりの深い病気だけに、食事の管理も飼い主さんが徹底してあげてください。

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

2022.08.11更新

調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは

東京都調布市の西調布犬猫クリニックです。

 

犬の膵炎は激しい痛みを伴うこともあり、飼い主さんとしては不安な気持ちで胸がいっぱいになってしまうことがあるかと思います。

具体的な治療は獣医師に任せるとして、飼い主さんがやれることは毎日の食事の管理です。

今回はそんな愛犬が膵炎になった時の正しい食事の摂り方について詳しく解説します。

 

▼最優先は「低脂肪」

愛犬が膵炎にかかった際、食事管理で最も注意すべきなのは「脂肪」です。

高脂肪の食事は膵炎の発症リスクを高めるだけでなく症状の悪化にもつながるため、低脂肪のフードを積極的に選ぶようにしましょう。

 

◎脂肪の「質」にもこだわる

脂肪は、生命活動を営む上で欠かすことができない栄養素であり、摂取量をゼロにする必要はありませんが、質の良い脂肪を効率よく摂り込むことが大切です。

その上で注意していただきたいのが、脂肪の「酸化」です。

脂肪は、加熱や酵素接触を受けることで酸化し、金属でいう“錆びた”状態となることから、それを摂り込んだワンちゃんの身体にダメージを与えてしまうのです。

酸化した脂肪は膵炎の症状を悪化させることもあるので、できるだけフレッシュな脂肪を摂取するよう努めましょう。

また、動物性の脂肪は血中のコレステロールや中性脂肪の濃度を高めるため、植物由来の「オメガ3脂肪酸」などが豊富に含まれたフードを選択すると良いといえます。

 

▼「低糖質」で合併症を防ぐ

膵臓は、タンパク質分解酵素だけでなく、血糖値をコントロールするインスリンの分泌も担っている臓器です。

そのため膵炎を患っているワンちゃんは、糖尿病を併発することも多く、糖質への配慮も必要となります。

膵炎を患っているワンちゃんに対しては、糖質が豊富に含まれたスイーツ類を与えないようにしてください。

普段のドックフードも血糖値が上がりにくい低糖質なものを選ぶようにしましょう。

 

▼「高消化性タンパク」で腸の負担を減らす

膵炎のワンちゃんでは、タンパク質分解酵素が正常に働かず、腸への負担が大きくなりがちです。

そこで消化しやすい「高消化性タンパク」の食事を与えることで、消化管の負担を大きく減らすことが可能となります。

 

 

▼急性膵炎と慢性膵炎の違い

膵炎は、急性膵炎と慢性膵炎の2つに大きく分けられます。急性膵炎では、腹部の激しい痛みといった急性症状が認められますが、慢性膵炎の場合は嘔吐や下痢、食欲不振などが長期的に見られます。

そのため急性膵炎の場合は、治療開始当初の絶食は避けられません。

急性期に無理して食事を摂ろうとしても、症状に悪化につながりかねないので、獣医師の指示通りに対処することが大切です。

ただし、長期的に絶食する必要性は低く、食事による栄養サポートをしっかり行うことで、病気の治りも早まることが多いです。

 

▼まとめ

今回は、愛犬が膵炎になった時の正しい食事の摂り方について解説しました。

最も重要となるポイントは「低脂肪」であり、「低糖質」「高消化性タンパク」という観点も加えることで、膵炎の治癒を促進するような食事を摂ることができます。

もちろん、ワンちゃんの膵炎は食事だけで治るものではないので、必ずかかりつけの動物病院を受診して、適切な検査・診断・治療を受けることが大切です。

当院までご相談いただければ、膵炎にかかったワンちゃんの食事管理についても、適切にアドバイスさせていただきます。

 

調布市、三鷹市、府中市にお住まいの方はぜひご相談ください。もちろん他の地域からのご相談もお受け致しております。

西調布犬猫クリニック

 

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投稿者: 西調布犬猫クリニック

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