2014.05.26更新

犬猫のスネの骨(脛骨)の骨折は割と多く見られます。

折れている場所によって治療の仕方も変わってきます。

今回の例は犬の脛骨骨折で粉砕骨折です。
粉砕骨折は単純骨折よりも複雑になります。折れている場所は真ん中より少し上です。
このタイプの骨折は骨折片の完全な整復が不可能なため生物学的骨癒合が最適です。つまり骨折部位の骨片を一つ一つパズルを合わせるように治すよりも骨折部位はあまりいじらずに骨をまっすぐに支えることを目的に整復します。そうすることで複数に分かれた骨片が自然に寄り添って治癒します。
ちなみに脛骨上部にあるピンは膝蓋骨内方脱臼を整復した際のものです。
 

手術直後のレントゲン写真です。今回は髄内ピンとプレートにて整復しました。骨折部位の骨片にはなるべく触れないようにし血行を遮断しないようしました。そうすることでバラバラになった骨片の回復が早くなります。
 

手術後3ヶ月経過した時点でのレントゲン写真です。バラバラになっていた骨片がキレイに癒合しているのがわかります。歩行状態も骨折前とほぼ同じ状態になり、元気に走っています。手術後半年くらいでピンやプレートを取り出すことを考えます。しかし生活上支障がなければそのままにしておいても問題になることはほとんどありません。
     

半年経ったところでレントゲン検査にて骨密度が低いようにみえましたので、髄内ピンとプレートを取り除きました。
 



その他の例としてこれはまだ若い猫の脛骨の足首に近い部位(脛骨の下の部分)での単純骨折です。プレートのみで整復しました。
   

さらにもう1例あげると、若いプードルの脛骨の膝関節のすぐ下が骨折している例です(脛骨の上の部分)。単純骨折です。
ピンを二本いれて固定しました。






このように折れている場所や折れ方により治し方が違ってきます。それぞれの状況に応じて最良な方法を考えて手術を行います。






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投稿者: 制作