2013.07.13更新

当院では犬の避妊手術は卵巣と子宮の両方を切除します。


まず、皮膚の切開はおへその下から約3㎝くらい

   
真ん中を皮膚切開し、次に腹壁の筋肉の真ん中を切開します。血はほとんど出ません。そしてお腹の中から子宮を優しくひっぱりあげます。下の写真が左側の子宮角です。

   
上の写真はピンセットの先で卵巣を指し示しています。下の写真は卵巣につながる主要な血管を溶ける糸で結紮しています。結紮した後に卵巣を切り離します。

   
上の写真は今度は右側の卵巣をやさしく引き上げ、同じように結紮し切り離します。そうすると下の写真のように左右の子宮角が「バンザイ」しているようにフリーになります。

   

次に子宮頸部を結紮し、卵巣ごと子宮を切除します。これでおおまかな手術は終わりです。

   
あとは腹壁を縫い合わせ、次に皮膚の下の脂肪組織を縫い合わせます。




皮膚を3〜5糸縫い合わせて終了です。要所をキッチリ締めれば大きな出血もありません。
このワンちゃんは発情後1ヶ月くらいですので、子宮や卵巣、その回りの血管がやや発達しておりますが発情前のコはほとんど出血なく手術可能です。時間は麻酔導入から手術部位の毛刈り、洗浄・消毒、モニター機器の設置など含め手術終了までに1時間かかりません。当院では痛みに対するケアを重点的に行っております。避妊手術だからといって痛みのケアを妥協することはありません。術後はスヤスヤ眠っていることがほとんどです。

別のコの避妊手術の術前と術後




これも別のコの様子です。皮膚の切開は約3㎝です。

体外に引き出した卵巣です。

子宮です。

腹壁を閉鎖します。

皮下織を溶ける糸で縫合します

皮膚を縫合します。

避妊手術をした翌日の様子です。おへその下を4糸縫っています。


避妊手術について

☆まず、来院時もしくはお電話にて予約をしていただきます。

☆手術当日は朝の食餌を抜いてきてください。前の日の夜ゴハンは9時くらいまでに与えてください。猫ちゃんで日頃、食餌を常に食べれる状態にしている場合も9時以降は食べさせないようにします。

☆手術当日は午前中の10時頃までに連れてきていただいて昼の12時〜16時の間に手術を行います。

☆手術の前に一般的な身体検査や貧血が無いか、白血球や血小板の数がしっかりあるか、さらに腎臓や肝臓の数値などの血液検査を行います。さらにご希望があれば胸部のレントゲン検査(別途料金がかかります)を行います。高齢の場合にはさらに追加の血液検査や超音波検査をおすすめすることがあります。とくに問題が無ければ手術を行います。

☆当院では避妊手術の場合は犬は一泊入院で猫は日帰りとなっております。ただし入院をご希望される場合には対応可能です。その場合別途入院費が加算されます。

☆当院では手術に伴う「痛み」に関し、徹底して管理しております。去勢・避妊手術だからといって手を抜くことはありません!ご安心下さい。

☆去勢手術や避妊手術は多くのワンちゃん・ネコちゃんが通る道です。手術をするのはこれが最初で最後の場合もあり、人生のビッグイベントです。ですから当院ではなるべく手術侵襲を少なくし、かつ疼痛管理を徹底し、ストレスを最小限にする努力をしています。「手術したんだから痛くて当たり前」、「動物は痛みに強いから」、「痛みをとったら逆に動き回っちゃうから」なんて考えはもうやめましょう。自分が手術をしたときの痛みを想像してみてください。もう病院に行きたくなくなっちゃいますよね。当院は長いお付き合いのために最善を尽くします。

                        東京都 調布市 西調布犬猫クリニック 
                           夜間救急時間外診療随時受付




投稿者: 制作