2013.07.12更新

胆のう粘液嚢腫は胆のうの中にこんにゃくゼリーのように固まった粘液が溜まり拡張する病気です。シェルティーやミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエルなどの犬種がなりやすいとされています。
胆のうの拡張が重度になると胆のうが破裂したり、胆のうから十二指腸につながる総胆管が閉塞してしまったり、胆嚢炎、膵炎、腹膜炎を引き起こしたりします。胆のう破裂し腹膜炎を併発している場合は術後の死亡率も高くなりますので、少しでも症状があれば早期に手術をしたほうがいいでしょう。

このワンちゃんは11歳のチワワです。胆のうが重度に拡張し、一部破裂した跡がありました。周辺の肝臓や横隔膜、大網などに癒着がみられました。


総胆管が完全に閉塞しています。このわんちゃんの場合総胆管の洗浄を試みましたがまったく動きませんでした。


そこで十二指腸側から洗浄したところ胆石がゴロゴロと出てきました。上の写真の黒いのが胆石です。
下の写真は胆のう内の粘液の塊です。内部に胆石が多数入っているのがわかります。


この後は胆のうを切除して、切開した十二指腸を縫って終了です。術後早期の栄養補給のために空腸造瘻チューブを設置しました。

閉腹後の写真です。お腹から出ているチューブは栄養補給のためのチューブです。3週後には抜いてしまいます。下の写真は取り出した胆石と粘液物質です。


術後は順調に回復し、3日後には自分でゴハンを食べれるようになりました。繰り返していた嘔吐も止まり、めでたしめでたし。




こちらは別の手術です。ヨーキーの胆のう粘液嚢腫の様子です







こちらは柴犬です。胆のうがパンパンに拡張しています

総胆管を洗浄しているところです。青黒くみえるところが総胆管に詰まっている粘液物質です。






こちらは胆のうがすでに破裂していたダックスの写真です。内蔵が胆汁によって黄色くなっています。






これは胆のう破裂をおこしたシェルティーです。こうなると手術をしても腹膜炎により予後が悪い場合があります。このコは術後4年経過していますが、元気です。

破裂部位から固まった粘液物質がみえています。

切除した胆のうです。多くの場合胆嚢炎を起こしています

胆のう内の粘液物質です。





これはチワワの例です。いままで胆のうに小さな破裂を繰り返していたものと思われます。胆嚢周囲に重度の癒着がみとめられました。

胆嚢がはち切れんばかりに拡張しています。

胆のう内の粘液物質を半分に割ったところです。こんにゃくゼリーのように固まっています











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