2013.07.17更新

当院ではネコちゃんの避妊手術では卵巣と子宮の両方を切除します。
ネコちゃんの避妊手術のメリットは発情期のストレスを無くすこと、乳腺腫瘍の予防(1歳までに手術をすることで約90%予防できます)、子宮の病気の予防などです。
 
 手術を行う前に身体検査、血液検査などの検査をおこない麻酔を行っても大丈夫かを判断します。
 手術を行う際には痛みがないよう鎮痛剤を使用します。手術時間は毛刈り、術野の洗浄・消毒、麻酔モニターの設置などを含めて30分くらいです。

まずおなかの真ん中を約2㎝切開します。
   

次に腹壁の真ん中を切開し、左側の子宮をやさしく出します。そして、卵巣につながる血管を結紮し、切り離します。
   

次に右側の子宮をやさしくひっぱりだします。ピンセットの先で示している部位が卵巣です。同じく血管を結紮し切り離します。




そうすると左右の子宮卵巣が写真のようにフリーになりバンザイをしているようになります。


そして、子宮頸部を結紮し、子宮卵巣の切除が完了です。腹壁を溶ける糸で縫い合わせます。
    

皮膚の下をさらに溶ける糸で縫い合わせます。最後に皮膚を縫合し終了です。





ほとんど出血はありません。当院では痛みのケアを重点的に行っています。避妊手術だからといって痛みのケアを妥協することはありません。
術後はほとんどのコがスヤスヤ寝ていることがほとんどです。
(注)手術の方法は様々です。上の写真は当院の方法で行った一例ですのでご了承ください。


避妊手術について

☆まず、来院時もしくはお電話にて予約をしていただきます。

☆手術当日は朝の食餌を抜いてきてください。前の日の夜ゴハンは9時くらいまでに与えてください。猫ちゃんで日頃、食餌を常に食べれる状態にしている場合も9時以降は食べさせないようにします。

☆手術当日は午前中の10時頃までに連れてきていただいて昼の12時〜16時の間に手術を行います。

☆手術の前に一般的な身体検査や貧血が無いか、白血球や血小板の数がしっかりあるか、さらに腎臓や肝臓の数値などの血液検査を行います。さらにご希望があれば胸部のレントゲン検査(別途料金がかかります)を行います。高齢の場合にはさらに追加の血液検査や超音波検査をおすすめすることがあります。とくに問題が無ければ手術を行います。

☆避妊手術の場合は犬は一泊入院で猫は日帰りとなっております。ただし入院をご希望される場合には対応可能です。その場合別途入院費が加算されます。

☆当院では手術に伴う「痛み」に関し、徹底して管理しております。去勢・避妊手術だからといって手を抜くことはありません!ご安心下さい。

☆去勢手術や避妊手術は多くのワンちゃん・ネコちゃんが通る道です。手術をするのはこれが最初で最後の場合もあり、人生のビッグイベントです。ですから当院ではなるべく手術侵襲を少なくし、かつ疼痛管理を徹底し、ストレスを最小限にする努力をしています。「手術したんだから痛くて当たり前」、「動物は痛みに強いから」、「痛みをとったら逆に動き回っちゃうから」なんて考えはもうやめましょう。自分が手術をしたときの痛みを想像してみてください。もう病院に行きたくなくなっちゃいますよね。当院は長いお付き合いのために最善を尽くします。


                           東京都 調布市 西調布犬猫クリニック
                             夜間救急時間外診療随時受付

投稿者: 制作

2013.07.15更新

ネコちゃんはひも状のものを遊びながら飲み込んでしまうことがあります。ひもが固まった状態であればそのままうんちに出てしまいますが、少しずつ飲み込むと腸が蠕動運動で先へと送ろうとしますがひもの後ろの部分がついてこないため最終的に腸がひもを中心によじれてしまいます。こうなると
食べたものが腸を通ることができず、吐き続けます。治療はひも状の異物を手術で取るしかありません。治療が遅れると腸に穴があくこともあります。


これは腸がよじれてしまっているところです。





この写真は腸の蠕動運動が亢進しているのに腸内の食塊が進まないために腸重積を起こしています



腸を切開し異物を取り出しているところです


ひもが長い場合には胃や腸を数カ所切開することがあります
  


これがとれたものです。合わせると40センチくらいになります。



今度は別のネコちゃんですが、このネコちゃんもひも状異物ですが舌に糸が引っかかっています。この糸の両端が腸まで続いていました。結構こういう風になっていることが多くみられます。ネコちゃんが吐いているときは舌の裏を見てみましょう。


このコの場合も胃と腸を3カ所切開し糸を取り出しました。
   

こういった異物の誤食を防ぐのはなかなか難しいですよね。でもこういった事故が起こらないように日頃からネコちゃんの行動範囲に注意してものを置かないことが大事ですね。って言ってもね・・・cryingトホホ

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投稿者: 制作

2013.07.13更新

当院では犬の避妊手術は卵巣と子宮の両方を切除します。


まず、皮膚の切開はおへその下から約3㎝くらい

   
真ん中を皮膚切開し、次に腹壁の筋肉の真ん中を切開します。血はほとんど出ません。そしてお腹の中から子宮を優しくひっぱりあげます。下の写真が左側の子宮角です。

   
上の写真はピンセットの先で卵巣を指し示しています。下の写真は卵巣につながる主要な血管を溶ける糸で結紮しています。結紮した後に卵巣を切り離します。

   
上の写真は今度は右側の卵巣をやさしく引き上げ、同じように結紮し切り離します。そうすると下の写真のように左右の子宮角が「バンザイ」しているようにフリーになります。

   

次に子宮頸部を結紮し、卵巣ごと子宮を切除します。これでおおまかな手術は終わりです。

   
あとは腹壁を縫い合わせ、次に皮膚の下の脂肪組織を縫い合わせます。




皮膚を3〜5糸縫い合わせて終了です。要所をキッチリ締めれば大きな出血もありません。
このワンちゃんは発情後1ヶ月くらいですので、子宮や卵巣、その回りの血管がやや発達しておりますが発情前のコはほとんど出血なく手術可能です。時間は麻酔導入から手術部位の毛刈り、洗浄・消毒、モニター機器の設置など含め手術終了までに1時間かかりません。当院では痛みに対するケアを重点的に行っております。避妊手術だからといって痛みのケアを妥協することはありません。術後はスヤスヤ眠っていることがほとんどです。

別のコの避妊手術の術前と術後




これも別のコの様子です。皮膚の切開は約3㎝です。

体外に引き出した卵巣です。

子宮です。

腹壁を閉鎖します。

皮下織を溶ける糸で縫合します

皮膚を縫合します。

避妊手術をした翌日の様子です。おへその下を4糸縫っています。


避妊手術について

☆まず、来院時もしくはお電話にて予約をしていただきます。

☆手術当日は朝の食餌を抜いてきてください。前の日の夜ゴハンは9時くらいまでに与えてください。猫ちゃんで日頃、食餌を常に食べれる状態にしている場合も9時以降は食べさせないようにします。

☆手術当日は午前中の10時頃までに連れてきていただいて昼の12時〜16時の間に手術を行います。

☆手術の前に一般的な身体検査や貧血が無いか、白血球や血小板の数がしっかりあるか、さらに腎臓や肝臓の数値などの血液検査を行います。さらにご希望があれば胸部のレントゲン検査(別途料金がかかります)を行います。高齢の場合にはさらに追加の血液検査や超音波検査をおすすめすることがあります。とくに問題が無ければ手術を行います。

☆当院では避妊手術の場合は犬は一泊入院で猫は日帰りとなっております。ただし入院をご希望される場合には対応可能です。その場合別途入院費が加算されます。

☆当院では手術に伴う「痛み」に関し、徹底して管理しております。去勢・避妊手術だからといって手を抜くことはありません!ご安心下さい。

☆去勢手術や避妊手術は多くのワンちゃん・ネコちゃんが通る道です。手術をするのはこれが最初で最後の場合もあり、人生のビッグイベントです。ですから当院ではなるべく手術侵襲を少なくし、かつ疼痛管理を徹底し、ストレスを最小限にする努力をしています。「手術したんだから痛くて当たり前」、「動物は痛みに強いから」、「痛みをとったら逆に動き回っちゃうから」なんて考えはもうやめましょう。自分が手術をしたときの痛みを想像してみてください。もう病院に行きたくなくなっちゃいますよね。当院は長いお付き合いのために最善を尽くします。

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投稿者: 制作

2013.07.12更新

胆のう粘液嚢腫は胆のうの中にこんにゃくゼリーのように固まった粘液が溜まり拡張する病気です。シェルティーやミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエルなどの犬種がなりやすいとされています。
胆のうの拡張が重度になると胆のうが破裂したり、胆のうから十二指腸につながる総胆管が閉塞してしまったり、胆嚢炎、膵炎、腹膜炎を引き起こしたりします。胆のう破裂し腹膜炎を併発している場合は術後の死亡率も高くなりますので、少しでも症状があれば早期に手術をしたほうがいいでしょう。

このワンちゃんは11歳のチワワです。胆のうが重度に拡張し、一部破裂した跡がありました。周辺の肝臓や横隔膜、大網などに癒着がみられました。


総胆管が完全に閉塞しています。このわんちゃんの場合総胆管の洗浄を試みましたがまったく動きませんでした。


そこで十二指腸側から洗浄したところ胆石がゴロゴロと出てきました。上の写真の黒いのが胆石です。
下の写真は胆のう内の粘液の塊です。内部に胆石が多数入っているのがわかります。


この後は胆のうを切除して、切開した十二指腸を縫って終了です。術後早期の栄養補給のために空腸造瘻チューブを設置しました。

閉腹後の写真です。お腹から出ているチューブは栄養補給のためのチューブです。3週後には抜いてしまいます。下の写真は取り出した胆石と粘液物質です。


術後は順調に回復し、3日後には自分でゴハンを食べれるようになりました。繰り返していた嘔吐も止まり、めでたしめでたし。




こちらは別の手術です。ヨーキーの胆のう粘液嚢腫の様子です







こちらは柴犬です。胆のうがパンパンに拡張しています

総胆管を洗浄しているところです。青黒くみえるところが総胆管に詰まっている粘液物質です。






こちらは胆のうがすでに破裂していたダックスの写真です。内蔵が胆汁によって黄色くなっています。






これは胆のう破裂をおこしたシェルティーです。こうなると手術をしても腹膜炎により予後が悪い場合があります。このコは術後4年経過していますが、元気です。

破裂部位から固まった粘液物質がみえています。

切除した胆のうです。多くの場合胆嚢炎を起こしています

胆のう内の粘液物質です。





これはチワワの例です。いままで胆のうに小さな破裂を繰り返していたものと思われます。胆嚢周囲に重度の癒着がみとめられました。

胆嚢がはち切れんばかりに拡張しています。

胆のう内の粘液物質を半分に割ったところです。こんにゃくゼリーのように固まっています











調布市、府中市、小金井市、三鷹市、武蔵野市、狛江市、稲城市で胆嚢粘液嚢腫の手術をお考えの方は西調布犬猫クリニックまでご相談ください。



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投稿者: 制作

2013.07.10更新

今回は指の腫瘍手術です。この腫瘍を患ったワンちゃんは14歳です。3〜4年前から指が腫れてきたとのことですが、おそらく良性だろうと言われ、ずっとそのままにしていたとのことです。
最近、痛がり少しびっこをひいたり、かじって血がでたりでかわいそうとのことでした。
 悪性腫瘍の中でも成長が遅いもの、転移しにくいものがあります。良性腫瘍に様々な刺激が加わり悪性に転化することもあります。初めて見た時の私の見立ては悪性腫瘍です。そして何よりも腫瘍を引きずり出血も止まらない状況でしたので切除することにしました。

 


 
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手術直後の写真です。



手術から3週後の写真です。痛みも無く歩けるようになりました。
できものは悪性でした。
いくら良性が疑わしくても、状況に応じて検査・治療をすることが重要です。
高齢だからといってこれだけの大きなシコリを引きずって歩いて暮らすのは人間でもしんどいですよね。

                         東京都 調布市 西調布犬猫クリニック
                           夜間救急時間外診療随時受付


 

投稿者: 制作

2013.07.04更新

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 脇の下の肥満細胞腫です。手術方法は腫瘍全体に言えることですが大きな機能障害を起こさない範囲でできるだけ取るということです。とくに肥満細胞腫は取り残してしまうと厄介な腫瘍です。一回目の手術が極めて重要です。


腫瘍の下のバリアとなる筋膜まで丁寧に切除します。ここまで取ってしまうと皮膚が寄らないことがあります。そのばあい別の部位の皮膚をまわしてくることもあります。



なんとか寄りましたのでこのまま皮膚縫合しました。これで腫瘍はすべて取りきれました。
腫瘍の手術はダイナミックな判断と丁寧な手技が必要です。


次の例は肩にできた肥満細胞腫です。最大3㎝で可能な限りマージンをとり切除します。

腫瘍の底部は筋膜(筋肉を覆う膜)を1枚バリアとして切除します。筋膜の上にある皮下脂肪の層で切除してしまうと腫瘍を取り残してしまう可能性があるので慎重に筋膜で包みながら切除します。


切除範囲が大きくなりますので、切除した後は皮弁法を用いて再建します。


次に後肢にできた肥満細胞腫です。1.5センチ大の腫瘍が存在しています。
               
腫瘍を切除した所です。広範囲に正常な組織を含めて切除しています。

縫合したあとの状態です。小さな腫瘍でも大きく切除します。こうすることによって再発を減らすことができます。


次に頭部の皮下にできた肥満細胞腫です。1.5㎝大の腫瘍が存在しています。

腫瘍周辺の正常と思われる皮膚を大きく切除し、眼には見えない腫瘍を残さないようにします。底部も筋膜1枚をバリアとして腫瘍とともに切除します。

縫合したあとの状態です。

毛が生えそろった頃の写真です。少し毛色が変わっていますがほとんどわかりません




次は陰嚢にできた肥満細胞腫です。会陰部付近にできる肥満細胞腫は悪性度が高いと言われています。
陰嚢基部の赤くなっているところが腫瘍です。

陰嚢、睾丸ごと切除します。筋膜も丁寧に剥離し切除しました。






次に後ろ足の付け根の部位にできた4センチ大の肥満細胞腫です。皮膚に存在していました。

最大3センチのマージンをとり、底部は筋膜を1枚バリアとして切除しました。筋肉が露になっています。


皮弁法により腹部の皮膚を使用し再建しました。


どの例も切除範囲はかなりおおきくなっています。肥満細胞腫の手術では全ての例がここまでやらなければならないかというとそうではありません。臨床的な挙動や細胞診所見、犬種、腫瘍の大きさや浸潤性、広がり等を熟考し、最善の方法を選択します。悪性度が低いと判断した場合には1㎝くらいのマージンで切除することもあります。腫瘍が非常に悪そうなのか、そうでもないのかという見積もりが非常に重要で経験や知識を駆使して判断していく必要があります。




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2013.07.03更新

椎間板ヘルニアは背骨と背骨の間にある椎間板が変形したり、中にある髄核が飛び出たりして脊髄を圧迫して、痛みや歩きが変になったり、ひどいときには完全に麻痺したりする病気です。

軽い痛み程度であれば、内科治療で様子を見ることもあります。しかし強い痛みや、後肢の麻痺がある場合には手術が必要です。回復の程度は脊髄神経がどれだけ障害を受けたかによります。

手術は背骨の一部を削り、脊髄神経の下に隠れている圧迫物質を取り除くだけです。
上の写真は脊髄の下に圧迫物質が隠れている写真です。ピンセットの先が圧迫物質です。
下の写真は圧迫物質をとった後の写真です。

このワンちゃんは9歳のダックスです。術後1ヶ月で元気な時と同じように歩けるようになりました。



これも11歳のダックスの例です。
キュレットの先で脊髄を圧迫していた椎間板物質をほじくり出しているところです。


椎間板物質をすべて取り除いたところです。このあとは脂肪を被せ筋肉、皮膚を縫合し終了です。


手術後は早ければ1〜2週間で歩けるようになります。しかし脊髄のダメージの程度によっては長期のリハビリが必要で、歩けるまでに2〜3ヶ月を要することもあります。手術後は疼痛管理とリハビリがとても重要です。

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2013.07.03更新

溝を深くするために範囲を決定し、溝を深くします。このとき軟骨は保存します

 

 
ますにずらします

すねの骨を一部骨切りして、外側にずらします
 




 溝を深くして、すねの骨を少し外側にずらし、余分な筋膜を切り取り縫合します。

このワンちゃんは6歳のキャバリアでしたが、術前は痛みがあり、しょっちゅうびっこを引いていましたが、術後2週のときには、ふつうに歩けるようになりました。

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2013.07.03更新

膝のお皿がお皿の入っている溝からはずれてしまう疾患です。
先天性・遺伝性あるいは転落や事故による後天性があります。内側にはずれてしまうものは小型犬に多く見られます。
グレード(重症度)が1〜4まであります。
治療に関しては様々ですが、高齢で痛みなどの症状がなくこの先も機能障害や関節炎を起こさない可能性が高ければ、内科治療で経過を見ることが多いです。まだ若くて活動的な場合は基本的に手術が推奨されています。ある程度体重がある(5kg以上)場合にも手術をした方がいいでしょう。
上の写真が膝蓋骨脱臼のレントゲン写真です。両側の膝のお皿が内側にはずれています。下は手術後です。向かって右側の膝のお皿が溝にはまっています。
膝のお皿が内側にはずれています

投稿者: 制作