2013.09.23更新

尿路結石症とは腎臓、尿管、膀胱、尿道に結石が存在するものです。90%以上が膀胱、尿道に見られます。結石の種類はリン酸アンモニウムマグネシウム(ストラバイト)、シュウ酸カルシウム、尿酸アンモニウム、リン酸カルシウム、シスチンなどがあります。ストラバイト結石は細菌感染によって尿がアルカリ性になり形成される場合があります。結石が尿路に存在すると粘膜を損傷したり、刺激によりポリープを作ったり、結石が細菌の温床となり尿路感染を引き起こしたり、結石が尿管や尿道に詰まると尿毒症、腎不全を引き起こしたりします。治療には外科的に結石を取り出し、その後は食餌管理を徹底することが重要です。

尿管結石の手術を紹介いたします。
このワンちゃんは12歳のヨークシャーテリアです。症状はゴハンを食べないということでした。各種検査により右側腎臓内、右側尿管、膀胱に結石が認められました。それ以外に異常は認められませんでした。

右側の尿管を示しています。二本の綿棒の間にあるのが尿管です。結石が詰まっており尿管が拡張しています。
 

メスで尿管を切開します。この時は7ミリほどの長さを切開しました。


白いものが尿管内の結石です



取り出しているところです


尿管内、腎盂内を何度も洗浄し、結石を繰り返しとり出します。



結石を取り出したのち、尿管を縫合します。かなり細い糸で縫合していますので見にくいと思います。


空豆のような形をしているのが腎臓でそれに続く尿管を示しています。


その後、膀胱内の結石を取り出し、手術は終わりです。取り出した結石です。上の写真は尿管内からで舌の写真は膀胱から取り出したものです。




手術後、このワンちゃんは痛みから解放され食欲はもちろんのこと、活動性もかなりよくなりました。私も尿管結石を患ったことがありますが、ものすごく痛いです!一晩中のたうち回りました。その後薬でなんとか回復しましたが、腎臓にまだ石があるそうでまたいつ落ちてくるか恐怖です。尿路結石症は正しい食餌管理とお水をたくさん飲むことと適度な運動が重要です。




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投稿者: 制作